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65歳以上まで働くともらえる給付金とは

老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げと平成25年の高齢者等の雇用安定等に関する法律の改正

 

現在、老齢厚生年金の支給開始年齢は平成25年(2013)年度から61歳へと引き上げられ、平成37年(2025)年度(女子は5年遅れ)には65歳からの支給となります。

 

また、改正された高年齢者等の雇用の安定等に関する法律が3年前の平成25年4月1日に施行され、原則、希望すると全員65歳まで引き続き雇用されることが可能となりました。ただし、経過措置があり、平成25年3月31日までに労使協定により継続雇用制度対象者の基準を定めている場合は、年金の支給開始年齢(生年月日により異なる)に応じて、例えば、平成31年3月31日までは62歳未満の人については希望者は全員、継続雇用制の対象としなくてはならないが、62歳以上の人に関しては基準に適合する人だけに限定できます。

 

これら、年金の支給開始年齢の引き上げ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正などにより、65歳まで若しくは65歳以降も会社に残り働こうと考える方が増加すると思われます。
また、今までキャリアを活かした自営業など、起業する方も増えるかもしれません。

 

そこで、65歳以降、会社を辞めた場合にもらえる高年齢求職者給付金についてご説明しようと思います。

 

高年齢者求職者給付金は65歳以上の人がもらえる一時金

 

独立行政法人 労働政策研究・研究機構が平成27年6月から約一ヶ月かけて行ったアンケート形式による「高齢者給付金に関する調査」によりますと、高齢者求職者給付金制度を知ったきっかけは「以前、勤めていた会社を退職する際に会社から説明を受けた」との回答が約4割で、「事前に調べて知っていた」との回答の方が約2割から3割となっています。

 

さらに、この給付金は休職期間中、生活の助けになったかどうかの問いには、「多いになった」が26.2パーセント「まあまあなった」が34.2パーセントで約6割の人が給付金を役に立ったととらえています。

 

高年齢求職者給付金とはどのようなものか

 

高年齢求職者給付金とは65歳の誕生日の前日以前から雇用されていた事業主にそのまま65歳の前日以後も雇われていて、その後会社を辞めた(失業した)場合に支給される一時金の給付金です。支給額は、被保険者であった期間に応じて異なり、1年以上の被保険者期間を有する人は基本手当て日額の50日分1年未満の人は基本手当日額の30日分です。

 

*基本手当日額=離職の前、被保険者期間の最後の6ヶ月間に支払われた賃金に基づき計算

 

一時金で30日分、50日分というと、65歳の誕生日の前日より前に会社を辞めたときにもらえる基本手当と比べると少ないと感じるかもしれません。基本手当であれば、原則、離職した日の翌日から1年間、基本手当日額の90日分から150日分さらに、会社の倒産など自分の責任でない理由で辞めることとなった人、障害をお持ちの人等は、年齢や被保険者期間に応じてさらに多くの日数分に基本手当てがもらえます。

 

ただ、この基本手当は65歳までもらえる特別支給の老齢年金とは併給できない、つまり、基本手当が支給されている間は老齢年金は支給停止されるのに対し、高年齢求職者給付金は65歳から支給される老齢年金と調整されることなく給付金、年金どちらももらえるのが特色です。

 

ここで、65歳に達する日(=誕生日の前日)より前に会社を辞めて65歳以降にハローワークへ行けば、65歳からもらえる老齢年金と基本手当をどちらももらえるのでは?と考える人もいるでしょう。そのとおりで、どちらももらえますが、しかし、その場合、会社を定年退職で辞めるのでなく自己都合退職ということになるので、給付制限がかかり、一定期間は基本手当をもらうことはできません。また、
会社によって自己都合退職と定年退職では退職金の額が違うこともありますので、注意が必要です。

 

働く意思と健康、家庭とのバランス

 

さらに、先ほどのアンケートでは給付金を受給した人が今後、どのような就業を望むかとの問いに次のような回答がありました。
一番多い回答が、「自分の健康・家庭事情等から無理のない範囲でできる仕事があれば仕事をしたい」との回答が一番多く43.8パーセント「就職するかどうかはこだわらないが、もし条件のよいところがあれば就職してもいい」との回答が8・6パーセントとなっており、働く意識としての傾向として、就業を急いでいるわけではないが、自分の健康等を考えながら無理のない範囲で(体力、能力面等を勘案して)働きたいという意欲があるように思えます。

 

今後、老齢厚生年金の段階的な引き上げや定年年齢の引き上げに伴い65歳まで、65歳以降も働き続けたいと考える人が増加することが予想されます。
そのためには、アンケートにあるように高齢者の体力、気力を考慮した対策が必要となると考えられます。