社会保険労士試験対策にも対応

老齢基礎年金・老齢厚生年金の繰り下げ申し出と加給年金の関係

老齢年金の繰り下げとは?

 

本来、65歳から受給する年金をすぐに裁定請求せず、66歳以降に申し出て受給するこもできます。この繰り下げを申し出た年金は「月単位」で受給権を得た日から繰り下げ申し出をした日の属するつきの前月までの期間(月単位)に応じて一定の割合で増額された年金を申し出た翌月分から受け取ることができます。

 

繰り下げ申し出をした老齢年金の増額率は最大42%

 

増額率は月単位で1ヶ月ごとに0.7パーセントの割合で最大42パーセントまで増額されます。例えば、誕生日が7月の人がいたとします。その方が62歳になりそろそろ年金をもうらおうと考えます。そして、9月に繰り下げの申し出をしますと、10月から増額された年金が支給されます。
その計算は・・・65歳に到達した月から繰り下げ申し出をした日の属する月の前月までの月数が26ヶ月ですので26×0.7%で18.2%の増額率となります。

 

70歳過ぎの請求はトクにならない

 

繰り下げることができるのは最大60月(5年)で、最高42%まで増額率となります。つまり、70歳に達する月の前月に繰り下げの申し出をすれば70歳到達月から42パーセントに増額された年金が受け取れるということになります。

 

では、70歳の誕生月を過ぎてから年金の請求をしたらどうなるのでしょか?
年金が増額されるのは70歳までなので、それ以降に年金を請求してもこれ以上年金額が増えることはありません。そして、平成26年4月1日までは70歳を過ぎてから申し出した繰り下げの年金は申し出た月の翌月分からしかもらえず、年金の請求が遅くなればなるほど年金をもらえない期間が増えていきその期間分は損をしていくという結果になっていました。
それが法改正により、平成26年4月1日からは70歳到達月より後に年金の請求をした方は70歳に到達した日に繰り下げの申し出があったものとみなして遡及して年金が支払われるようになりました。ただ、平成26年4月1日より前に70歳に到達している方は平成26年4月1日以降に年金を請求しても遡及して支払いが行われるのは法改正のあった平成26年4月1日以降(平成26年5月分)からの支払いなります。

 

ですから、遅くとも70歳を過ぎたらなるべく早く年金の請求をしたほうがいいでしょう。

 

繰り下げ申し出により老齢厚生年金に加算される加給年金がもらえなくなる可能性もあります

 

また、平成19年4月から昭和17年4月2日生まれ以後の生まれの方は老齢厚生年金の繰り下げができるようになりました。その方の場合、老齢基礎年金単独でも老齢厚生年金単独でもまたは、両方とも繰り下げが可能です。その場合、注意していほしいことがあります。

 

それは繰り下げの申し出をすると、加給年金がもらえなくなってしまう可能性があるということです。
加給年金とは65歳になって厚生年金の被保険期間が240月(20年)以上、または中高齢の期間短縮特例(15〜19年)に該当する方が生計維持する65最未満の配偶者又は18歳年度末までにある子があるときに支給されるものです。配偶者の加算の場合は加給年金に特別加算がつきます。

 

加給年金とは老齢厚生年金と同時に支給されるもの、すると、老齢厚生年金の繰り下げを申し出るまでの待期期間は加給年金はもらえないということになります。そこで、繰り下げ申し出の老齢厚生年金をもらう時に加給年金は加算されるのですが、加給年金は繰り下げ申し出の増額の対象ではないことに気をつける必要があります。また、繰り下げ申し出の老齢厚生年金をもらう時に既に奥様(夫)が65歳になってしまっていると加給年金は加算されないということになってしまうことがあります。

 

繰り下げの申し出をする際は「加給年金」を考慮に入れて繰り下げしたほうがいいかどうか考える必要があるでしょう。
繰り下げ申し出をしてトクしたつもりが損をしたということにならにように注意が必要です。