社会保険労士試験対策にも対応

老齢基礎年金の振替加算と注意点

振替加算とは

振替加算とは老齢厚生年金や退職共済年金の加入期間が原則240月以上(中高齢の期間短縮特例は15〜19年以上)ある夫又は妻に支給されていた加給年金(家族手当のようなもの)が、その配偶者が65歳になった時点で振り替えられて老齢基礎年金に加算されるものです。そのため今まで、夫又は妻に支給されていた加給年金はその配偶者が65歳になった時点でストップします。また、2級以上の障害厚生年金や障害共済年金をもらっている方に加給年金が支給されている場合においても配偶者が65歳になった時点で配偶者の老齢基礎年金に振替加算がなされることになります。

 

ただ、振替加算の対象となる配偶者には以下の条件があります。

 

1、振替加算の対象となる配偶者の生年月日が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までにあることが必要です。

 

振替加算の額は年齢が若い方は高齢の方にくらべると低くなります。そして昭和41年4月1日以降の方には振替加算がなされなくなります。これには理由があります。旧国民年金時代は専業主婦の方は任意加入でした。そのため大正15年4月2日生まれの方の任意加入の専業主婦の方は任意加入をしていないと低額の年金しかもらえないということが起きてきます。しかし昭和41年4月2日以降生まれの方は20歳になった時が昭和61年4月2日になっておりすでに専業主婦の任意加入制度は廃止されていて専業主婦は第3号被保険者となり強制加入となっています。そのため65歳以降は自分の年金がもらえるという前提に立ち、昭和41年4月2日以降に生まれた配偶者への振替加算なされないことになります。

 

2、原則240月以上の老齢厚生年金、退職共済年金を受給していた夫又は妻から振替加算される場合は振替加算される配偶者自身が240月以上の加入期間を持つ老齢厚生年金や退職共済年金をもらっている時は振替加算の対象となりません。

 

3、振替加算される配偶者が老齢基礎年金の受給権が発生した当時夫又は妻に生計維持されていること。

 

振替加算が支給停止されるときとは?

 

1、振替加算される配偶者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金などを受けている時は振替加算は支給停止されます。支給停止であり、失権ではない、つまり振替加算される権利はあるけれども、障害年金を受けている間は支給をお休みしますよ、ということです。この場合、障害共済年金をもらうようになった方は「国民年金老齢基礎年金加算額支給停止事由該当届」(224号)を住所地の年金事務所へ提出します。また、障害年金をもらっていた方が障害年金をもらえなくなった時は振替加算が復活しますが障害基礎、障害厚生年金をもらっていた方に関しては特に手続きは必要ありません。障害共済年金をもらえなくなった方に関しては「国民年金老齢基礎年金加算額支給停止事由消滅届」(225号)を年金証書戸籍抄本を添付し住所地の年金事務所へ提出します。

 

2、振替加算される配偶者の年収要件として850万円を将来に渡り有すると認められると振替加算は行われません。

 

振替加算が行われなくなるときとは?

 

振替加算された老齢基礎年金をもらっている方が加入期間が240月以上の老齢厚生年金、退職共済年金をもらえるようになった時は振替加算は行われなくなりますが、「離婚時みなし被保険者期間」*を有するようにり加入期間が240月以上となった場合も振替加算は行われなくなります。この場合、老齢厚生年金の加入期間のみで240月以上となった場合は特に手続きは必要ありませんが、振替加算された老齢基礎年金を受ける側が240月以上の退職共済年金および老齢厚生年金をもらえるようになった、又は退職共済年金のみで240月以上の加入期間となり受給するようになった場合は「国民年金老齢基礎年金加算額不該当届(223号)を提出します。
離婚をする前に振替加算を受けると生涯振替加算をもらい続けることができますが、離婚時みなし被保険者期間を有することにより240月以上になると振替加算がもらえなくなってしまうことは覚えておいたほうがいいでしょう。

 

離婚時みなし被保険者期間・・・離婚分割により被用者年金の報酬比例部分が分割の対象となるが分割を受けて被保険者であるとみなされた期間

 

最後にとりわけ気を付けたい点をみていきましょう。振替加算は基本的には年金の裁定請求書に配偶者の氏名、生年月日、基礎年金番号等を記載し、戸籍謄本、世帯全員の住民票、振替加算対象者の所得証明を添付し行いますが以下の場合注意が必要です。

 

例えば、妻が65歳になり老齢基礎年金をもらい始た後に夫が老齢厚生年金や退職共済年金の加入期間が240月以上となる年金をもらえるようになったとします。その時妻はすでに65歳を過ぎていて振替加算される年齢となっているため夫の年金には加給年金はつかないで、妻の老齢基礎年金に最初から振り替えられて加算されます。この時は老齢年金の裁定請求とは別に振替加算される時に「国民年金老齢基礎年金額加算開始事由該当届」(222号)を住所地の年金事務所へ提出します。添付書類は年金の裁定請求の時と同じです。「国民年金老齢基礎年金額加算開始事由該当届」の届を忘れると振替加算されないので忘れずに届をする必要があります。