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生きづらさとどう向き合う〜聴覚障害を正しく理解する@聴力レベル

管理者

聴覚の障害の程度を判定するためには純音による聴力レベル値語音による語音明瞭度により測定します
ここでは純音の聴力レベル値についてみていきます。聴力レベルはdb(デシベル)値というものを用います。

 

db(デシベル)とは音圧や電圧の強さの単位を表します。では、具体的にデシベル単位でみた音の大きさを見てみましょう。
0デシベルを健康な人が聞こえる最小値とします。

120db

飛行機のエンジン近く

110db

2メートル以内の車のクラクション

100db

電車が通るガード下

90db

カラオケ、うるさい工場の中

80db

地下鉄の車内、1メートル以内のピアノの音

70db

うるさい事務所の中、せみの声

60db

普通の会話、トイレの洗浄音

50db

静かな事務所、家庭用クーラーの室外機

40db

図書館

30db

ささやき声

20db

ささやき

 

表を見ると、20dbから大きな数値にいくにつれ音が大きくなっていくのがわかります。このことからデシベルの単位は数値が小さいと小さな音を表しで数値が大きいと大きな音を表すといえます。

 

聴力レベルはオージオメータという機会で測定します。オージオメータ250〜8000ヘルツの音が出ますが、小さい数値ほど低音で、高い数値ほど高音と覚えておきましょう。この聴力レベルのデシベル値を計測する時は音域(500ヘルツ、1000ヘルツ、2000ヘルツ)ごとに各何デシベルで聞こえるかどうかを測定し、以下の式で平均純音聴力レベ値を計算します。←ここでは国民年金・厚生年金保険 障害認定基準の第2節 聴覚の障害で用いられている算出方法を用います。

 

平均純音聴力レベル値=a+2b+c/4

(aを周波数500、bを周波数1000、cを周波数2000ヘルツとします。)

 

例えば仮に、aを54、bを39、cを29とすると、(54+2×39+29)/40.25=デシベルとなります。

 

正常な範囲はだいたいの目安が0〜25デシベルです。(この基準値は検査の仕方により異なります。)そうすると40デシベル以上となると日常生活いおいて聞こえづらいこともあるのでは?と推測できます。

 

以下が世界保健機構(WHO)の分類による聴力レベルです。

 

●軽度難聴
26〜40dbHL      小さな声が聞き取りにくい

 

●中程度の難聴 
41〜55dbHL       近くで大きな声の会話でないと聞き取りづらい
               普通の会話が困難
●やや高度な難聴    補聴器が必要
56〜70dbHL   

 

●高度難聴         
71〜90dbHL       耳の近くで大きな声で話しかけてもき聞こえないなど補聴器があっても会話が困難

 

●非常に高度な難聴    
91dbHL以上      言葉はほとんど聞き分けられない 

 

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準は以下です。

 

障害の程度 障害の状態
1級 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
2級 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  身体の機能の障害が前各号と同程度以上、かつ、日常生活が著しい制限を受ける、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度☆
3級 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話し声を理解することができない程度☆
障害手当金 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を理解できない☆

☆身体の機能の障害が前各号と同程度以上、かつ、日常生活が著しい制限を受ける、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、両耳の平均純音レベル値が80デシベル以上、かつ、最良語音明瞭度が30パーセント以下のものをいいます。

 

3級の40センチメートル以上では通常の話し声を理解することができない程度とは
@両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上
A両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50パーセント以下のものをいいます。
一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を理解できない

 

☆一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を理解できない程度とは、一耳の平均純音聴力手ベル値が80デシベル以上をいいます。

 

障害年金の障害認定基準は聴覚に障がいのある方からみて厳しい内容ではないでしょうか?

 

まず、1級は聾(ろう)のレベルと思われます。

 

2級はおおむね両耳の聴力レベルが90デシベル以上でWHO基準でいう非常に高度の難聴にあたります。2級は日常生活に著しい制限を受けるということが認定の上で重要視されることから、そういう意味ではもう少し要件を緩和し、両耳70デシベル以上位に緩和してもいいのでは?と感じます。

 

3級は@両耳の平均純音聴力レベルが70デシベル以上又はA両耳の平均純音聴力レベルが50デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50パーセント以下のものですから、WHOの基準でいいますと、だいたい、中程度又はやや高度な難聴のレベルにあたるかと思われます。3級の要件に関しても、両耳で補聴器を必要とするレベルに方は障害年金の認定対象としてもいいのではないか?と思われます。

 

また、障害手当金は一時金であり年金ではありません。障害手当金の要件が一耳の平均純音聴力手ベル値が80デシベル以上といいますが、方耳の日常生活は方向感覚がわからないなど困難なことが多く、クロス補聴器☆が必要になってくる方もいらっしゃるようです。方耳だけの難聴だから一時金というのは短絡的な気がします。

 

☆クロス補聴器・・・聞こえない耳にファナッククロス送信機を装着し、聞こえる耳に補聴器を使用し、ファナック送信機が拾った音を聞こえる耳の補聴器で聞く。

 

世界保健機構(WHO)によると41db以上の難聴の方に対して補聴器が推奨されています。難聴の方の実際の困難度を考慮して障害年金の認定基準も変化が求められているのではないかと思います。

 

ここまで。聴力レベルから聴覚障害についてみてきましたが、実際は純音による聴力レベルだけでは聴覚に障害をお持ちの方の困難度は測れません。

 

実際、障害年金の認定基準でも純音による聴力レベル語音による聴力検査値(語音明瞭度)により障害等級を認定します。

 

また、次回語音明瞭度についても見ていきましょう。

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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