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音声・言語機能の障害〜言語障害とは?

今回は、音声・言語機能の障害についてみていこうと思います。

 

厚生労働省により実施された平成18年身体障害児・者等実態調査によりますと、聴覚・言語障害を有する方の人数は34万3千人と推計されています。この調査は身体障害者手帳を所持している又は手帳を持っていないが、持っている者と同等の障害を有する方を対象にしています。この統計による人数はあくまで推計であり、正確なものではありませんが、34万3千人という数字は少ない数ではないと思います。

 

しかし、私を含めて言語障害とは具体的にどのような障害かを知っている人は少ないのではないでしょうか?

 

例えば、構音障害失語症の違いがすぐわかる方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
そして、言語障害を有する方はどのような支援を必要としているのでしょうか?

 

以下、言語障害とはどのような障害かを理解を深めつつ、障害年金認定基準ではどのように考えられているのかをみていこうと思います。

 

国民年金・厚生年金保険 第一章 障害等級認定基準 第6節 音声又は言語機能の障害によりますと、音声又は言語機能の障害とは、発音に関わる機能又は音声言語の理解と表出に関わる機能の障害をいう、とありそれは、@構音障害又は音声障害、A失語症及びB聴覚障害による障害を含むとあります。

 

では@構音障害又は音声障害A失語症B聴覚障害による障害の順に具体的にどのようことを指すのかみていきたいと思います。

 

構音障害とは?

 

障害年金認定要領によりますと構音障害又は音声障害は、歯、顎、口腔(舌、口唇、口蓋等)、咽頭、喉頭、気管等の発声器官の形態異常運動機能障害により、発音に関わる機能に障害が生じた状態といいます。

 

構音(発音)障害は、運動障害性のもの、機能性のもの、生まれつき上唇、上あごが裂けていて発音が正しくできないもの、言葉がつまったりして、流暢に話せない吃音などがあります。
では、構音(発音)障害は具体的にどのような症状でしょうか?一般的にはろれつが回らないなど、発音がうまくできず、相手にうまく意思を伝えられな等、コミュニケーションで困難がある状態のようです。ただ、失語症のように、聴く、話す、読む、書くといった言語能力は失われておらず、筋肉の麻痺や先天性のものが多いようです。

 

失語症とは?

 

次に、失語症についてみていきましょう。失語症は、障害年金認定要領によりますと、失語症は、大脳の言語野の後天性の脳損傷(脳血管障害、脳梗塞、頭部外傷、脳炎等)により、いったん獲得された言語機能に障害が生じた状態とあります。

 

つまり、失語症脳の言領域語が損傷を受けることで構音障害と異なり聴く、話す、読む、書くといった言語能力が困難になります。ただ、脳のどの部分に損傷を受けたかにより、症状の表れ方も様々です。

 

前言語野(ブローカー領域)に損傷を受けると、言葉を理解する能力はあっても、話すことがうまくできなく、ぎこちなさが目立ちます。また、書くことおいても困難が生じ、長く複雑な文章を書くのは困難になるようです。

 

また、後言語野(ウイルニッケ領域)に損傷を受けると、発話はなめらかにできても、言語理解に障害が生じてきます。そのため、会話は一見すると流暢ですが、いい間違いなどが多く、やはりコミュニケーションが困難になります。また、読んで理解することも困難となることも多いようです。

 

さらに、健忘失語というのは、聞いて言葉を理解する能力があり、滑らかに話すことはできますが、名詞を思い出せないことが多いため、名詞を他の言葉で置き換えようとするため回りくどい話し方になってしまいます。また、重度になると、聴く、話す、読む、書くといった言語機能のすべてが障害を受けることもあります。

 

聴覚障害に伴う言語障害

 

最後に、聴覚障害による障害をみていきましょう。障害年金認定要領によりますと、聴覚障害による障害は先天的な聴覚障害により音声言語の表出ができないものや、中途の聴覚障害によって発音に障害が生じた状態のものをいうとあります。言葉というのは子供のころから周囲の人の言っていることを聞いて覚えていきます。しかし、聴覚に障害のある方は言葉を正確に聴くことが困難なので、言葉の発達や発音に困難が伴います。先天性の聴覚障害であるか、後天性のものか、重度の難聴か、軽度かによっても人それぞれ、言語の障害の障害の度合いは異なります。

 

失語症者の方への理解が必要です

 

以上、構音障害、失語症、聴覚障害に伴う言語障害をみてきましたが、最後に、失語症者の方への接し方について、NPO法人 日本失語症協議会様のホームページから引用いたします。
失語症者の方はうまく言葉を発すことができないため、周囲の人は失語症者の方を子供のように扱ってしまうことがあるそうです。しかし、認知症を併発しなければ、大人としての自覚や判断力は持っています。ですから、失語症者の方をひとりの大人として対応することが大事だとあります。

 

もし、自分が子供扱いされら・・・私も嫌です。

 

次回は、障害認定基準の等級についてと、言語障害を有するかたへの支援について書いてみたいと思います。