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呼吸器疾患による障害〜@肺結核

今回は、障害等級認定基準第10節 呼吸器疾患により障害から肺結核についてみていきましょう。

 

呼吸器疾患による障害として認定の対象となる障害は大きく分けて、肺結核、じん肺、呼吸不全となります。
その中の呼吸器疾患のひとつ、肺結核について、概要をみていきましょう。

 

意外と多い肺結核患者数

 

平成25年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)によりますと、新規登録結核患者数は 20,495 人、羅患者率は人口10万人に対して16.1です。アメリカ、ヨーロッパ諸国の先進国と比べると、アメリカの5.2倍、ドイツの3.3倍、オーストラリアの2.8倍と日本は先進国でありながら高い羅患率となっています。

 

肺結核というと、一昔前の病気と思っていましたが、現在でも特に日本の都市部で高い羅患率にあり(大阪で、人口10万に対して26.4の羅患率、ついで、和歌山、東京、長崎、兵庫となります。低い羅患率の都道府県は、山梨が7・7で一番低く、ついで長野、宮城、北海道、秋田となります)、又結核患者の高齢化があげられ60歳以上の患者のしめる割合は60パーセントを超えています。

 

結核はすぐに発病するとは限らない

 

結核は結核患者が咳やくしゃみをすることで菌が撒き散らされ、その菌を吸い込んだ方が、飛沫感染、空気感染することが主な原因です。しかし、結核は感染してもすぐに発病するとは限りません。人には免疫があり、体力のある方なら免疫が結核菌を抑えこむからです。しかし、何らかの原因で体力が落ち、免疫力が低下した時に発病することがあります。

 

戦前、戦後結核菌に感染したお年寄りが発病するケースも

 

高齢者に結核感染者の占める割合が多いのは戦前、戦後の結核患者の多かった時期に結核菌に感染し、高齢になってから何らかの原因で結核を発病する方がいらっしゃることが先進国の日本で結核患者が多い1つの理由にあげられるかもしれません。また、都市部での羅患率が高いのは、人口密集度が高いため、集団感染しやすい環境というのも1つの理由と考えられるかもしれません。さらに、最近では、多剤耐性結核の問題も出現しています。 ※ 多剤耐性結核とはイソニアジドとリファンピシンという結核治療のための薬剤を用いても死なない結核菌をいいます。

 

障害年金認定基準で肺結核は特に重要視されている

 

正直、私は障害認定基準で肺結核が重視されている訳が最初はよくわかりませんでした。しかし、肺結核が今でも大きな社会問題であると認識するにつけ、結核が障害年金の支給対象として大きく扱われるのは当然だなと考えています。

 

次回、肺結核の症状についてみていきましょう。