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脳出血と障害年金の請求

脳出血は大きく分けて5種類ある

脳梗塞は脳の血管が詰まることにより起こるもので、それに対し脳出血とは脳の血管が切れて出血することを言います。
また、出血が起こる部分によって脳出血は、皮殻(ひかく)出血、視床出血、脳幹出血、小脳出血、皮室下出血の5種類に分けることができます。そして、出血が起きる部分によって生じてくる障害も異なってきます。脳出血の中では皮殻(ひかく)出血、視床出血が比較的多くみられるようです。 参考 脳外科クリニックくだ HP

 

脳出血の原因、障害年金初診日との関係

脳出血の原因としては高血圧を原因とするものが多いようです。しかし、障害年金を請求する上では高血圧と脳出血・脳梗塞は因果関係無しと扱われています。しかし、高血圧と脳血管障害の因果関係が認められることもあることもあるようなので医師にきちんと確認したほうがいいと思われます。

 

他に、脳出血の原因として脳の血管の異常に伴う出血、抗血栓薬の影響脳腫瘍を原因とする出血他の病気が原因で起きてくる場合もあります。 参考 中村記念南病院

 

脳出血の起こる部位により症状が異なる

脳出血、脳梗塞とも脳のどの部位に障害が生じたかにより起きてくる症状も異なります。運動を司る部分に障害が起きたのか、視覚を司る部分か、感覚を司る部分か、どこに障害が生じたかにより症状が異なります。
例えば、前頭葉の運動野がダメージを受けると麻痺が起こります。言語野がダメージを受けると失語症(人の言っていることは理解できるが言葉を発することができない)が起こるというようにです。また、後頭葉のダメージだと同名半盲が(左後頭葉の損傷だと右眼が右後頭葉だと左眼の視野が欠損)、小脳が傷付くと体の平衡感覚が悪くなりふらつきがでたりします。視床は出血を起こしやすいところですが、死亡したり後遺症も大きいことが多く、出血部位の反対側に麻痺が起きたり、ふるえ、痛みも強いことがあります。 参考 脳神経外科 澤村豊HP 地域医療 健康情報サイト 広島ドクターズHP 高齢者の生活習慣病HP
症状は脳のでの部分、どの程度損傷があるのかにより異なり多岐にわたります。診断書にしっかり症状が漏れなく記載されているか確認が必要でしょう。

 

脳出血の治療とリハビリ

 

薬による治療では出血を止めるために血圧をコントロールしたり、むくみをとる、、また手術により血の塊や水を取り除くなどの治療が行われるようです。しかし脳が一度を受けると薬や手術によってももとに戻るわけではありません。そこで、症状を緩和したり機能回復のためにリハビリが重要になってきます。リハビリというと、ある程度よくなってから行うものという印象があるのですが、まだ急性期でベッドから起き上がれない時期からリハビリは行う必要があるようです。それは廃用症候群を防ぐために行います。ずっと寝ているため、筋力の低下を防いだり関節が硬くなるのを防止します。その他、床ずれや体の機能の低下を防ぐため大切なリハビリとなります。さらに、ある程度症状が落ち着いてきたらベッドから起きる練習が必要となります。長い間寝ていたのでいきなり起きることによって症状が悪くなることがないか確認しながら行います。これもリハビリのひとつです。そして、車椅子に乗れるようにまで回復したところでリハビリテーション室でのリハビリとなるというのが一般的な順序のようです。参考 循環器病情報サービスHP

 

脳血管障害の障害認定日

障害認定基準によりますと障害認定日とは初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日又は1年6ヶ月以内にその傷病が治った場合においてはその治った日(その症状が固定し、これ以上治療の効果が期待できない状態に至った日)とあります。
そして、傷病が治ったというのは気質的欠損若しくは変形又は機能障害を残している場合は医学的に傷病が治ったとき、又は、症状が安定し、長期に渡ってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態とあります。
さらに、障害認定基準第9節 神経系統の障害では脳血管障害の場合の障害認定日をもう少し具体的に書いてあます。それは脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6ヶ月経過した日以後医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められる時は障害認定日が初診日から起算して1年6ヶ月以内であってもその日を障害認定日と認めるということです。
では、初診日から起算して1年6ヶ月以内の6ヶ月経過した日後に認められる障害認定日とは具体的にどのような障害状態なのか考えてみたいと思います。

 

以下は平成24年6月の脳血管疾患における裁決例で、平成24年9月の障害認定基準の改正前の裁決ですが参考になると思います。それによると、「一般論として述べれば、脳内出血発症後に著明な合併症等の併発もなく、順調にリハビリテーション療法により、その経過中に急激な症状や障害の状態の変動等もなく比較的順調に経過し症状固定に至ったというような事案」については1年6ヶ月以内であっても症状固定として認めることもありうるとのことが述べられています。ただこの事案においては本人が症状固定として主張する障害認定日にはまだ合併による外科療法を受けていた時期であり統括的な医療管理下におかれており、医学的に傷病が治ったとき、又は、症状が安定し、長期に渡ってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態とは認められないとの旨が述べられています。

 

そうすると、一連のリハビリテーションをこなして症状が比較的安定していると認められれば初診日から1年6ヶ月以内でも症状固定として初診日から6ヶ月経過後に請求できそうですが、そうでない場合、初診日から1年6ヶ月待って障害認定日と考えられそうです。初診日から1年6ヶ月以内を症状固定として請求する場合は医師の意見をよく聞いて判断ということになろうかと思います。